今世、の中ではオンラインサロンや会員制などの月額ビジネス、通称「サブスク」が流行っていますが
このサブスク、何も考えずに始めてしまうと軽めの地獄を見ることになってしまうため注意が必要です。
※ここでお話するのは通信講座などによくある「1年間で終わり」などのようなものではなく入会し続ける限り延々と続くものを指します。
注意点その1:月額のハードルが高い
たとえば、「月額3000円くらいだったら結構払ってくれる人はいるんじゃないのか?」と思うかもしれませんが、払いきりと違って、お客さんにとっての「固定費」となる月額制は実は売ることがなかなか難しいです。
人って固定費に敏感で、毎月の携帯代や電気代などを数百円単位で見直す人も大勢いますから、その限られた可処分所得の中から毎月1000円でも払ってもらうのは実は大変なのです。
個人的な感覚では、月額1000円のサービスを売るのは売り切りで1万円のものを売るのと同じくらいの難易度です。
(要するに売り切りの10倍売るのが難しい感覚)
逆に、払いきりや、毎月払うのでも終わりのある「分割払い」であればある程度高額のものでも売るのは比較的簡単です。
※これ不思議なもので、分割払いを用いて毎月の支払いの安さを演出すれば数十万円のものでも売れてしまいます。
注意点その2:いつでも退会できる自由
いつでも退会できる、というのは顧客にとっては非常に有り難いシステムですが、サービス提供側からするとこれ以上ないくらいのプレッシャーにさらされます。
入会してもらったはいいものの、一定以上の満足度を提供できなければすぐに退会されてしまうからです。
しかもそれは1ヶ月目に限らず、毎月毎月延々と続いていきます。
…と、なると顧客満足を取るために自分の本当にしたいことが出来なかったり言いたいことが言えなかったり、など「自分の好きなことでお金を稼ぐ」ために始めたサロンがどんどん苦痛になっていくことも珍しくありません。
ちなみに、一般的なサロンでは継続率90%(退会率10%)くらいが1つの目安になります。
※退会率0%はほぼ不可能です
※つまり毎月の退会者以上の新規入会者を
入れていかなければコミュニティは先細りします
※退会率10%以上だとしてもそれ以上に
新規集客をしていけば大きくなってはいきますが、
メンバーの新陳代謝が激しすぎてそれは
月額(サロン)という形式を取っている意味が薄れます
…という具合にある程度の”濃さ”を保ちつつ拡大させていくのはなかなか難易度が高いです。
注意点その3:少人数でも力を抜けない
仮にサブスク型のビジネスを始めたとしてお客さんが中途半端に数人だけ入ってきたらそれはそれでかなり厳しいものがあります。
なぜなら、サブスクモデルは基本的に「人数によって手間が変わらない」のが強みと言えるビジネスだからです。
特にコンテンツ提供型(学びを提供するタイプ)のサロンだった場合、それが10人でも100人でもやることは変わりありません。
たとえば、「毎月動画でデザインのテクニックを教えます」というサロンをやった場合、お客さんがもし2,3人だけだったとしたら、言い方はアレですが、その2,3人のためだけに動画を作り続けるのは普通に考えてしんどい(というか非効率な)わけです。
お客さんが2,3人だったら20~30万円の高額コンサルを提供して対面でガッツリ教えたほうが満足度も高まりますし、収益性も何十倍(下手すると何百倍)にもなります。
…と、サブスクに軽く絶望したかもしれませんが、それだけ難しいことを今多くの人がやろうとしているのです。
(おそらく↑のようなことを考えてやっている人はあまりいないと思います)
展開するビジネスの内容によっても多少変わりますが、
- 高額売り切りモデルがやっぱり強い
- 月額でやるなら運営が”ながら”でできる状況を作る必要がある
- サブスク完結ではなく、さらに先に別のマネタイズの導線を作る必要がある
というのが個人的な結論です。
もちろん、サブスクモデルでウマいこといっている例も沢山ありますが、何も考えずに「流行りだから」という理由だけで
月額を選んでしまうとキツイので、「サブスクである理由」をしっかり考えるようにしていきましょう。
(特にネットに詳しくないけど流行りに乗りたい経営者は選びがちなので、クライアントにそういう人がいたらぜひ伝えてあげてください笑)